SOLEYARD

雨上がりの雲間から射し込む陽の光

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In principio creavit Deus caelum et terram.

Terra autem erat inanis et vacua, et tenebrae erant super faciem abyssi, et Spiritus Dei ferebatur super aquas.

Dixit Deus: "Fiat lux." Et facta est lux.

Vidit Deus lucem quod esset bona, et divisit lucem ac tenebras.

Appellavitque lucem Diem, et tenebras Noctem. Factumque est vespere et mane, dies primus.

STORY

Story 01

川崎の喧騒と、弦の震え

私のルーツは、神奈川県川崎市にあります。工業地帯の力強さと、多様な人々が混ざり合う独特の活気。そこで育った私の幼い頃の夢は、バイオリニストになることでした。放課後は遊びたい盛りの心を抑え、ひたすら弦を弾く日々。木製の楽器から伝わる微細な振動と、自分の感情が共鳴する感覚に、幼いながらも「表現」の悦びを見出していたのだと思います。

結局、プロの奏者という道には進みませんでしたが、あの頃培った「美しさへの執着」は、今も私の血肉となっています。得意教科だった国語の時間、行間に潜む感情を読み解くのが好きだったことも、今の仕事に通じているのかもしれません。言葉にできない思いを、旋律ではなく、一皿の料理に託す。それが私の選んだ新しい演奏の形でした。

毒と美、そしてアニメーション

私の感性を形作っているのは、バイオリンだけではありません。書棚には太宰治や萩原朔太郎の作品が並んでいます。太宰の自虐的なまでの繊細さ、そして朔太郎の詩に漂う、病的なまでに美しい情緒。彼らの言葉は、時として鋭い「毒」を孕みます。しかし、その毒があるからこそ、救いとしての光が際立つのです。

また、意外に思われるかもしれませんが、日本のアニメーションも私の大切なインスピレーションの源です。緻密な背景描写、光の捉え方、そしてキャラクターたちが織りなす極限の人間ドラマ。アニメが描く世界観は、レストランの内装や盛り付けの色彩感覚に、確かな影響を与えています。クラシック音楽の規律正しさと、アニメが持つ奔放な想像力。その相反する要素が、私の店という空間で密かに混ざり合っています。

「毒を食らわば皿まで」の矜持

私の座右の銘は「毒を食らわば皿まで」。少し不穏な響きを持つ言葉ですが、私にとっては究極のプロ意識の象徴です。

南青山という、流行と伝統が交差する厳しい場所で店を持つ。それは、一度足を踏み入れたら最後、退路を断ってやり抜く覚悟が必要です。お客様に最高の瞬間を提供するためには、自分自身の持てるすべて――知識、経験、そして時には私的な時間すらも――を投げ打つ。中途半端な妥協をするくらいなら、いっそ徹底的に破滅するまでやり遂げる。そんな「覚悟」を持って、毎晩キッチンに立っています。この潔さが、料理のキレを生むのだと信じています。

人との出会い、それが人生のメインディッシュ

この仕事をしていて最も幸せなのは、やはり「人との出会い」です。 カウンター越しに交わされる、何気ない会話。文学や音楽、時にはお勧めの秋アニメの話で盛り上がる夜。お客様が一口料理を運んだ瞬間、その表情がふわりと緩むのを見るたびに、私はこの場所を選んで良かったと心の底から思います。

川崎の少女が夢見た「バイオリンの調べ」は、形を変えて、今この店の賑わいの中に響いています。お客様という共演者と共に、私はこれからも最高の「一曲」を奏で続けていくつもりです。南青山の夜は更けていきますが、私の情熱はまだ、一皿のソースも乾かないうちに次の一手を求めて震えています。

SOLEYARD OWNER 水津千紘

Story 02

ATMOSPHERE

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